書籍のぜったい・音読シリーズや英語上達完全マップなどで有名になった音読ですが、練習方法がイマイチよく分からないという声をよく耳にします。ここで、音読の効果や私がいつもレッスンで紹介している練習方法を整理しておきます。

音読の概要

音読は初級者から上級者まで、日本語を介さず練習できるのでとってもオススメな練習方法です。主にリスニング・スピーキングに効果があります。

音読の具体的な練習方法

元は英語上達完全マップですが、私なりにアレンジをしています。

  1. ポーズ付き音声を使ってテキストを見ながらリピーティング 5回
  2. 音声は使わずテキストを見ながら音読(朗読) 10回
  3. ポーズ付き音声を使ってテキストを見ないでリピーティング 5回
  4. ポーズ無し音声を使ってテキストを見ないでシャドウィング 5回

これを1日1セットとして、5日間連続で練習します。最終的な目標は3, 4のテキストを見ないでリピーティングとシャドウィングができるようになる事です。回数はあくまでも目安ですので様子を見て調整してください。順調にできているようなら2日目以降は回数を減らしても良いでしょう。例えばこんな感じです。(リピーティング-音読-リピーティング-シャドウィングの順で回数を表しています。)

  • 1日目:5-10-5-5
  • 2日目:4-8-4-4
  • 3日目:3-7-3-3
  • 4日目:2-6-2-2
  • 5日目:2-5-2-2

必ず注意する事

  • 音読中は常に内容を意識・イメージして練習する事。字面だけを追って空読みしたり、音ばかり気にしてただの発声練習にならないようにしましょう。
  • 音声とリズム・アクセント・イントネーションなどが同じになるように真似をしましょう。
  • 上級者は5日間繰り返すよりはどんどん別の教材を練習した方が良い場合がありますが、初級者は必ず5日間繰り返すようにしましょう。

音読に便利な記録表

音読を練習するときの記録表をPDFファイルにて作成してみました。正の字などを書きこんでください。A4サイズです。左の画像をクリックするとPDFファイルが表示されるのでそれをダウンロード・印刷して利用してください。

ポーズ付き音声の作成法

教材にポーズ付き音声がついている場合は良いですが、そうでない場合に練習のたびに音声の一時停止と再生を繰り返すのはあまりにも面倒です。そのため、事前に音声を編集してポーズを入れておくと後の練習がスムーズになります。私はレッスン用にポーズ付き音声を作成する時には自作したソフトを使用しています。このソフトを何かしらの形で配布できれば良いのですが、Mac上でしか動かない上にコマンドプロンプトで使うという、私にしか使用できないソフトになっています。ここでは、私が知る限りでのポーズ付き音声の作成法を紹介します。

ポーズ付き音声が付属している教材を選ぶ

作成法ではありませんが、最近は市販の教材にもポーズ付きの音声が入っているものが増えてきました。NHKのラジオ講座などでもよく探せばあると思います。これらを使うと手間がかかりませんね。ページ下部の「音読のレベル別オススメ教材」にはポーズ付き音声が含まれているかどうかも載せていますので参考にしてください。

無料で配布されているポーズ付き音声作成専用ソフトを使う

私は使用した事がないので詳しい事はよく分かりませんが、「InsPause」というソフトが無料で配布されているようです。リンクはこちらです。http://vanya.jp.net/eng/inspause/

無料で配布されている音声編集ソフトを使う

「Audacity」という音声編集ソフトを使うとポーズを入れることができますが、操作方法を学ぶ必要があります。私の理解が正しければ、ポーズを入れる方法はちょっとトリッキーで、無音部分を必要なポーズの長さの分だけコピーして、ポーズを入れたい場所に貼付けるという方法になるのではないかと思います。Audacityの公式ウェブサイトは英語でしかも分かりにくいので、どなたかがダウンロード方法を詳しく説明してくださっているリンクを載せておきます。http://rei-yumesaki.jimdo.com/audacity講座/

音読教材の選び方

自分のリーディングのレベルに合わせるのではなくて、スピーキングのレベルに合わせましょう。テキストを見て、ちょっと簡単だなと思うぐらいで、さらにこのぐらいの文なら少し頑張れば話せるようになりそうと思うものを選んでください。そして必ず音声が付属しているものを選んでください。英語上達完全マップでは、会話形式のものよりはナレーション形式のほうが良いと書いてあると思いますが、私の経験上こだわる必要はありません。むしろ会話を上達させたいのであれば会話文で練習したほうが役に立つ事が多いです。

音読のレベル別オススメ教材(Amazonへのリンクは画像をクリック)

この一覧にないものでも私のレッスンで対応可能なものもあります。それらについてはこちらのページ「対応可能なテキスト一覧【音読系】」を参照してください。

超初級(目安:TOEIC 〜400, 英検3級ぐらいまで)

英会話・ぜったい音読 続入門編

【長所】中学の教科書から抜粋された英文なので、簡単な文ばかりで構成されています。音声もゆっくりなので音読の練習がしやすいです。ダイアログ(会話)形式もモノローグ(ナレーション)形式も両方あります。

【短所】英語学習用の文という感じがして、ネイティブが生で使う英語という感じではありません。ポーズ付き音声はついていません。

初級(目安:TOEIC 400〜600, 英検2級ぐらいまで)

究極の英語リスニング2

【長所】簡単な単語しか使われていないにも関わらず、ネイティブが日常会話で使いそうな表現がたくさん入っています。音声がアメリカ英語に限らず、イギリス英語等も使われています。ダイアログ(会話)形式もモノローグ(ナレーション)形式も両方あります。単語集や日本語訳があります。背景にBGMとか生活音とかが入っているのも良い練習になると思います。

【短所】ポーズ付き音声はついていません。

英会話・ぜったい音読 続標準編

【長所】中学の教科書から抜粋された英文なので、簡単な文ばかりで構成されています。音声もゆっくりなので音読の練習がしやすいです。ダイアログ(会話)形式もモノローグ(ナレーション)形式も両方あります。

【短所】英語学習用の文という感じがして、ネイティブが生で使う英語という感じではありません。ポーズ付き音声はついていません。

中級(目安:TOEIC 600〜850, 英検準1級ぐらいまで)

究極の英語リスニング3

【長所】簡単な単語しか使われていないにも関わらず、ネイティブが日常会話で使いそうな表現がたくさん入っています。音声がアメリカ英語に限らず、イギリス英語等も使われています。ダイアログ(会話)形式もモノローグ(ナレーション)形式も両方あります。単語集や日本語訳があります。背景にBGMとか生活音とかが入っているのも良い練習になると思います。

【短所】ポーズ付き音声はついていません。

究極の英語リスニング4

【長所】簡単な単語しか使われていないにも関わらず、ネイティブが日常会話で使いそうな表現がたくさん入っています。音声がアメリカ英語に限らず、イギリス英語等も使われています。ダイアログ(会話)形式もモノローグ(ナレーション)形式も両方あります。単語集や日本語訳があります。背景にBGMとか生活音とかが入っているのも良い練習になると思います。

【短所】ポーズ付き音声はついていません。

English the American Way

【長所】ネイティブが日常会話で使っている表現がたくさん入っています。ダイアログの他にちょっとした読み物もあり、英語だけではなくアメリカの文化も学ぶことができます。

【短所】すべてダイアログ(会話)形式です。日本語の訳がありません。ポーズ付き音声はついていません。

ポーズ付き音声が付いた教材

みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング

【長所】ポーズ付き音声が付属CDに収録されています。

【短所】モノローグ(ナレーション)形式の音声ばかりで、会話の練習はできません。全体的にレベルは中級向けかなと思います。初級者の方には向いていないと思います。1章の内容がけっこう難しいので中級者以上の方でも最初でつまづいてしまう可能性があります。2章・3章あたりから練習を始めて慣れたころに1章に戻ると良いかもしれません。

ぐんぐん英語力がアップする音読パッケージトレーニング 中級レベル

【長所】ポーズ付き音声が付属CDに収録されています。

【短所】モノローグ(ナレーション)形式の音声ばかりで、会話の練習はできません。英検2級の過去問題なので少し堅い内容です。中級レベルとしてありますが、中級よりは少し簡単かなと感じます。

安河内拓也の「新」英語学習法<30日マスター>イメージ音読レッスン

【長所】ポーズ付き音声が付属CDに収録されています。

【短所】モノローグ(ナレーション)形式の音声ばかりで、会話の練習はできません。写真を見て描画する練習なので、TOEICのスピーキング&ライティングテストの練習には良さそうです。